長法寺遺跡(ちょうほうじいせき)

遺跡の場所 長岡京市の北西部
遺跡の時代 旧石器時代〜弥生時代・奈良時代〜平安時代・江戸時代
遺跡の概要 長法寺遺跡は扇状地に立地する集落遺跡で、昭和61年の発掘調査で発見された。とくに、弥生時代後期を中心とする時期の環濠集落として代表的な遺跡であり、乙訓地域における環濠集落の最初の発見例でもある。

 


長法寺遺跡の場所
長法寺遺跡の場所 長岡京市遺跡地図第5版から(長岡京市教育委員会提供)

弥生時代 遺構配置図
右京第228次調査
この調査で長法寺遺跡が発見されました。調査では環濠のほか、竪穴住居5棟と土坑などが見つかりました。

北の上空から見た長法寺遺跡
右京第228次調査
調査地の近くには長法寺小学校があります。環濠は調査区の南端で見つかりました。

弥生時代 竪穴住居13と竪穴住居14
右京第228次調査
調査区の北部で発見された2棟の竪穴住居です。いずれも円形で、手前の竪穴住居13は直径8.5m程度を測ります。

弥生時代 竪穴住居13の遺物出土状況
右京第228次調査
竪穴住居13からは弥生土器の壺などが出土しています。

弥生時代 竪穴住居4
右京第228次調査
竪穴住居4は調査区南半部で見つかりました。床面の周囲に2条の周壁溝があることから、住居の建て替えが行われたと考えられます。

弥生時代 住居域を取り囲む環濠
右京第228次調査
調査区の南端で発見された溝で、幅1.5〜3.3m、深さ0.7〜1.1mを測ります。溝の断面はV字形、逆台形を呈していました。

弥生時代 環濠の遺物出土状況
右京第228次調査
住居域を取り囲む環濠からは大量の土器が出土しました。なかには、この写真のようにほぼ完全な形で出土したものもあります。

弥生時代 遺構配置図
右京第288次調査
調査では弥生時代後期の竪穴住居1棟と環濠が見つかりました。

弥生時代 竪穴住居7と環濠
右京第288次調査
調査地は、長法寺遺跡発見の契機となった右京第228次調査地から南に約30m離れています。調査では、弥生時代後期の竪穴住居1棟と環濠が見つかりました。

弥生時代 竪穴住居7と環濠
右京第288次調査
竪穴住居と環濠は重複しており、先行する竪穴住居7が廃棄された後に、環濠が掘削されたことが分かっています。

弥生時代 竪穴住居7
右京第288次調査
弥生時代後期の竪穴住居7は平面形が六角形で、各辺の長さ約6mの大型住居です。竪穴住居からは壺、高杯、手焙形土器などが出土しています。

弥生時代 環濠
右京第288次調査
環濠は、竪穴住居7を切って掘削されています。幅2.5〜3m、深さ1mを測ります。溝の断面はV字形、逆台形を呈していました。