今里車塚古墳(いまざとくるまづかこふん)

古墳の場所 長岡京市今里4丁目、今里庄ノ渕(長岡第三小学校の東、長岡第七小学校の北西)
古墳の時代 古墳時代中期初頭
古墳の概要 前方後円墳。周囲に方形の周濠を巡らす。木の埴輪。

 


今里車塚古墳の場所
今里車塚古墳の場所 長岡京市遺跡地図第5版から(長岡京市教育委員会提供)

今里車塚古墳の墳丘推定図
後円部の北西に造り出しが接続し、周囲には方形の周濠が巡らされています。

墳丘裾の柱検出状況 右京第352次調査
古墳の裾にあたる平坦面には等間隔に柱が立てられ、柱の上には笠形木製品が配されていました。

後円部と造出し 右京第488次調査
後円部の葺石と平坦面の木製樹物が確認されました。また、後円部の北西部には造出しと周濠内の陸橋も確認しています。

後円部と造出し 右京第488次調査
周濠の外から、陸橋、造出し、そして後円部を見た写真です。

木製飾り板の出土状況 右京第488次調査
後円部北西に付属する造出しの近辺からは、木製の飾り板などが出土しました。飾り板は壊され火を受けており、造出し上での祭祀に使われた後に廃棄されたと考えられます。

木製飾り板 右京第488次調査
後円部北西に付属する造出しの近辺から出土した木製の飾り板で、復元幅は1mを超える大きなものです。造出し上での祭祀に使われた後、焼かれて壊されたと考えられています。

木製飾り板(部分) 右京第488次調査
木製飾り板の表裏面には帯状や直線、曲線のレリーフが施されています。

方格規矩鏡(ほうかくきくきょう) 右京第26次調査
右京第26次調査では、今里車塚古墳の後円部周濠が見つかり、埴輪、木製埴輪とともに鏡の破片が出土しました。

周濠外堤の埴輪棺 右京第488次調査
今里車塚古墳の周濠の北側、外堤部で円筒埴輪と朝顔形埴輪を用いた埴輪棺が確認されました。

笠形木製品(かさがたもくせいひん) 右京第582次調査
古墳裾平坦面の柱に配置されていたと考えられる笠形木製品です。

冑形・盾形埴輪(かぶとがた・たてがたはにわ) 右京第871次調査
出土状況などから、盾形埴輪の上に冑形埴輪が載せられたと考えられます。盾形埴輪の盾面は高さ約60センチ、幅約50センチを測ります。

盾形埴輪(部分) 右京第871次調査
盾形埴輪の盾面には、革製の盾を模した鋸歯文、直線文が施されています。

冑形埴輪(部分) 右京第871次調査
冑形埴輪は前方が尖った衝角付冑と呼ばれるものです。鉄板を綴じる表現が見られないため、革製の冑を模したと考えられます。

赤色顔料が塗られた埴輪 右京第352次調査
今里車塚古墳の円筒埴輪にはヒレ付円筒埴輪と呼ばれるものが多数認められます。写真右側はヒレ部分の破片です。また、埴輪には赤色顔料が塗布されたものが多くあります。

 

今里車塚古墳の復原想像図